前回、トルコリラ/円を取引してみました の記事を書きました。 スワップポイントに関して、また、別の取引で思ったことがあったので書いてみます。
トルコリラ/円の取引と並行して、豪ドル/円の取引もしていました。 4 月 24 日にショートのポジションを持ちました。 トルコリラ/円のロングのポジションを持ったのが 4 月 23 日だったので、 1 日遅れてスワップポイントの支払いの義務が発生しました。
トルコリラ/円はロングのポジションを持ったので、スワップを受け取る権利があります。 豪ドル/円はショートのポジションを持ったので、スワップを支払う義務があります。
今はマネーパートナーズで取引をしていて、パートナーズFX スワップポイント を見ると、 5 月 4 日のスワップポイントは次のようになっていたようです。
米ドル/円 豪ドル/円 トルコリラ/円 付与日数 1 1 1 買いスワップポイント +16 +50 +86 売りスワップポイント -76 -89 -116
うーん、トルコリラ/円の買と豪ドル/円の売がほぼ同じになっていました。 厳密に言うと豪ドル/円の売の方が少し高くなってしまっていました。 買いと売りを比較することじゃないと思うのですが(その差額は取引業者の手数料的なものになっていると思うので)、それでも、買いと買いを比較しても、 +86 円と +50 円になってしまっています。
スワップポイントについて
スワップポイントでこつこつ堅実に資産増!
ハイリスクに見えるFXでの資産運用ですが、実は外貨預金のようにコツコツ利息を貯めていく方法もあります。通貨は国ごとに金利が設定されています。低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、その金利差を受け取れる仕組みがあります。外貨預金の場合の利息のようなもので、スワップポイントといいます。
[スワップポイントとは?]
異なる通貨間の金利差に相当するもので、外貨預金の場合の利息のようなものです。
たとえば
- トルコの金利 8%
- 日本の金利 0.10%
- 金利差 7.9% に相当する分がスワップポイントとして原則毎日受け取れます。
<トルコリラ/円の場合>
トルコリラ/円 1 万通貨の運用で 1 日に受け取れるスワップポイント
↓
1 日 86 円
↓
1 年間 31,390 円 2018 年 3 月現在
- スワップポイントは、取引対象通貨の金利情勢等により変動します。
- トルコリラ/円 1 万通貨の運用に必要な証拠金は、約 1.2 万となります。
上記の例では 1 万トルコリラを買うことで、毎日 86 円、年間 31,390 円を受け取ることができます。 (スワップポイントが変動しなかった場合の想定)
逆に、高金利の通貨を売り、低金利の通貨を買うことで支払いが発生する場合もあります。 スワップポイントは下図のような表現をします。 プラスの場合は受け取りが、マイナスの場合は支払いが発生します。 スワップポイントは毎日変動します。
NZ ドル/円 トルコリラ/円 メキシコペソ/円 付与日数 1 1 1 買いスワップポイント +45 +86 +12 売りスワップポイント -79 -116 -23
うーん、この引用の例を見ると、金利によってスワップポイントが決まるように記載されています。 トルコリラは 8% 、日本円は 0.10% として記載されています。
これはいいのですが、豪ドルの金利について気になったので、政策金利を見てみました。
2018 年 4 月の政策金利を見ると、次のようになっています。
4 月 日本 0.10 米国 1.75 欧州 0.00 英国 0.50 カナダ 1.25 豪州 1.50 NZ 1.75 スイス -1.25 香港 2.00 南ア 6.50 中国 4.35 トルコ 8.00 ノルウェー 0.50 スウェーデン -0.50 メキシコ 7.50
買いだけで比較してみます。 トルコリラは政策金利が 8.00 なので、トルコリラ/円のスワップポイントが +86 なのはわかります。 が、豪ドルは政策金利が 1.50 しかないのに、豪ドル/円のスワップポイントが +50 もあるのは疑問です。 それから、米ドルは政策金利が 1.75 となっていて、豪ドルの政策金利よりも多いのに、米ドル/円のスワップポイントが +16 しかないのも疑問です。
以前は、豪ドルの政策金利が高かったこともあったようで (2008 年 3 月は 7.25%) 、キャリートレードの買いの対象の通貨になっていたようです。 そのイメージがあるからか、まだスワップポイントを高く設定しているように感じてしまいました。
円の金利は現在、海外の通貨と比べて格段に低い。日本銀行が景気の下支えのために超金融緩和策を続けているためだ。こうした、低金利の円を調達(円借り)して、外国為替市場で米ドルや豪ドルといった金利の高い通貨に替え、その国の株式や債券などに投資、運用する取引を円キャリートレードという。
…略…
(織田一 朝日新聞記者 / 2008年)
2008 年の記事のようですが、当時はこういうのが流行っていたみたいです。
USD/JPY
発生日 入出金日 売Swap(円) 買Swap(円) 付与日数 5月4日(金) 5月4日(金) -73 70 1 AUD/JPY
発生日 入出金日 売Swap(円) 買Swap(円) 付与日数 5月4日(金) 5月4日(金) -46 45 1 TRY/JPY
発生日 入出金日 売Swap(円) 買Swap(円) 付与日数 5月4日(金) 5月4日(金) -90 80 1
GMO クリック証券も見てみましたが、このページでは、豪ドル/円がなぜか高金利通貨ペアとして☆マークがついていました。 ので、こういう印象って、業界の慣習みたいなものになっているように見えました。 豪ドル/円よりも米ドル/円の方がスワップポイントが高いのに、なぜ米ドル/円には高金利通貨ペアの☆マークがついていないのだろう? 本当に不思議。
でも、 GMO クリック証券の方は、豪ドル/円と比べて、米ドル/円の方がスワップポイントが高くなっているところはいい印象を持ちました。 トルコリラ/円とドル/円の差額より、ドル/円と豪ドル/円の差の方が大きいのはよくわからないですけれども。
こういう市場の歪みって、裁定取引みたいなので埋められないのかな、って思ったりします。 取引業者の手数料みたいなもので、もう利用者から見たら限界に達しているのかな。 気になったので、後で政策金利とスワップポイントをもとに、各通貨ペアがどれくらいの比率でスワップポイントが出ているのか比較してみようと思いました。
10 May 2018 追記
豪ドル/円のポジションを決済することができました。
5 月 9 日に決済しましたので、記事を書いてから 2 日分のスワップポイントが追加されました。 合計 15 日持っていました。 結果、 -29,000 円くらいのスワップを支払いました。 トルコリラ/円の取引で +23,000 円くらいのスワップを受け取ったのですが、それよりも多く支払うことになってしまいました。 結果的に、この取引は利益に終わっているのですが、利益額の 8% ものスワップを支払うことになりました。 この取引は利益を伸ばすことができて、 4.75R の利益になっているのですが、それの 8% は大きいな、と感じてしまいました。 でも、もし、これが損失に終わっていたら、損失額の 38% も余計にスワップを支払うことになっていたようです。 恐ろしい。
あまり気にしちゃいけないのかもしれませんが、スワップポイントが高い通貨ペアを、スワップを支払う側でエントリーするのを躊躇してしまうかもしれません。 検証では、最大 2 ヶ月程度もポジションを持っていたことがありましたので、今回の豪ドル/円でそんなに持っていたらと思うと本当に恐ろしいです。