引っ越しをして感じたこと

引っ越しをしました。 これまで何度か引っ越しをしたことがありましたが、引っ越しなんて人生で何十回もするものでもないので、普段の生活では得られないものを感じられました。

きっかけ

引っ越しをしようと思ったきっかけは、管理会社が変わったことでした。 今年の1月に更新をしたばかりだったのですが・・ それからすぐに管理会社が変わって、家賃が毎月の振込になったことで、少し面倒だと感じるようになりました。 新しく契約書を書くことになって、新しい管理会社の担当の人と電話で話をした時の印象も良くなかったこともありました。 次の更新まで1年半はあるけれども、余裕があるからこそ、納得するまで検討することができるんじゃないかと思って、行動してみることにしました。

不動産仲介業者

1つ目

事前にインターネットで賃貸物件を検索してみて、良さそうなところがあったので、電話でアポイントメントをとっておいて、行ってみました。 以前に引っ越しをした時は、敷金と礼金はそれぞれ2ヶ月分が一般的だったのですが、今は1ヶ月分とか、なしとか、さらには1ヶ月分の家賃が不要なフリーレントというものまであるようでした。

フリーレントというのはフリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 | クリス・アンダーソン, 小林弘人, 高橋則明 |本 | 通販 | Amazonにあるようなフリーミアムがこういうところでも行われているのかなという感じがします。

最近は、経済や金融のニュースを少し見るようになって、そこから実感したことはデフレマインドというものが浸透していて、自分では気がつかないうちに物価の下落が進んでいたということ。 この"気がつかないうちに"というのは厄介な気がしていて、日銀は2%のインフレ目標を掲げるも先送りしていますし、黒田バズーカと言われるものも含め、異次元の緩和をしてきても消費が伸びないということになっているのかなと思っています。

こんなところで、最初に行った不動産仲介業者では3件の物件を見て、検討するということで帰ってきました。

2つ目

別の不動産仲介業者にも行きました。 平日だったこともあり、資料を見るだけでしたが、最初の不動産仲介業者との違いは感じることができました。

ここの不動産仲介業者の扱う物件は築年数が10年以内の、中でも紹介してもらったものは築年数が2、3年の物件でした。 新しいものを扱うというポリシーなのかなんなのかわかりませんが、それが当たり前のように話をしていました。

そして、

「この時期はボーナスが出て引っ越しをするという人が多いですね。」

的なことも言っていました。

なんか、(ボーナスが出たからという理由だけで引っ越しをする人もいるんだ・・)、と心の中で思いました・・

それから、ここは仲介手数料がなしでした。 あとで3つ目の不動産仲介業者の担当の人から聞いた話ですけど、こういうのには理由があって、この仲介手数料とは別に事務手数料とかの名目で費用がかかって、結局トータルで支払う金額に違いはないということを知りました。そうじゃなきゃ事業として成立できないから当然と言えば当然かなと思います。

契約までしていないので、実際のところはどうなのかわからないですが、ここに関わる人は飽きっぽいというか、短期的というか、さっぱりした人間関係というか、そういう人が多いのかなと思いました。 担当の人も事務的で人間味をあまり感じられないという印象を受けました。

すべての人が今後、直接的には関わらないかもしれませんが、自分は人間関係は大切にしたいですし、良いものを愛用していきたいですし、自分の考えとは少し違う感じを受けましたので、そういった意味もあって、契約までには至りませんでした。

相対的な比較として、1つ目の不動産仲介業者の担当の人は丁寧で人間味のある良い印象の人でした。

3つ目

3つ目の不動産仲介業者にも行きました。 事前にアポイントメントをとって、日曜日の朝から行きました。 日曜日ということもあって、あまり対応してもらえる時間もないかなと思いながら、でも、まだ次の更新まで1年半もあるから見つからなくても構わないつもりで行きました。

ここでは担当の人が素晴らしかったです。 途中で名札を見ると「こう見えて昨年の実績No.1」的なことが書いてあったのですが、実際に担当してもらうと、その理由もわかる気がしました。

1つ目の理由は、ヒアリングにありました。

電話でのアポイントメントの際に、気になる物件は伝えてあったので、自分としてはその物件を見させてもらえれば十分に思っていました。 たとえその物件がもう終了してしまっていても、同じような物件を見させてもらえれば良いという大雑把な考えでいました。 でも、その担当の人は、引っ越しを考えた動機から細かくヒアリングし始めました。

そこで、引っ越しを考えた理由である"管理会社が変わったこと"を伝えると、確実に変わらない保証はないけど、できるだけそうならないと考えられる物件を優先して選んでくれました。

後から思うと、ここはすごく重要だと思うのですが、“管理会社が変わったこと"ってあまり一般的な理由ではないと思うのですが(一般的だったらすみません・・)、その理由を一般的ではないからといって過小評価することなく、優先して考えてくれたことです。 ちゃんと相手を注意深く見て、一人一人に合った提案をしているのだと思います。 実際に結果がそうなるかどうかより(今回の場合は結果がわかるのはずっと先のことですけど・・)その意識が大切です。 もちろん結果も伴っていないとクレームの原因になってしまうとは思いますが、契約に至るまでの過程においては、相手を理解する意識があるからこそ、そこから出る行動というのは信頼も得られるものだと思います。 言葉にするとこの程度になってしまいましたが、この程度のことでも、それができている人ってそんなにいないなって感じます。

自分の場合は、システムの開発の仕事をしていますけど、こういう意識で仕事をしている人ってあまりいません。

お金、お金、お金、とか

いかに自分の仕事を少なくするか

みたいなことが優先されているように感じています。 だから、自分の仕事に対する姿勢みたいなものも見直す機会をもらえたと思っています。

それから、自分が気になっていた、大家さんと管理会社と不動産仲介業者の関係についての説明もしてくれました。

2つ目の理由は、よく名前を呼んでくれます。

「○○さん、ここどうですか?」とか

「○○さん、クローゼットが寝られるくらい広いですよ」とか

意識してやっているのか、自然にそうなってしまっているのかはわかりませんでした。 が、名前を呼ぶと効果的というのはインターネット上の何かの記事か、本かで見たことがあります。 そういうところで読んだ程度の知識レベルのものでは、本当にそうか?みたいに思ったりしますが、実際にそういう経験をするとやっぱりそう感じるものです。 というか、こちらが意識していなければ、なぜこの担当の人を信頼して、契約にまで至ったのか、それに気づきもしないのだと思います。 ロバート・B・チャルディーニの「影響力の武器」にある"好意"に当たるものかなと感じました。

“意識"より、“無意識"のうちに機械的に反応してしまうことの重要性を多くの人は認識していないと思います。 “意識"の問題に頼りすぎてしまう。 “無意識"による機械的な反応があるとして、その上で"意識"をどう持つかという順番なんだと思います。

そう、意識の問題の興味深い動画を引用してみます。

意識は幻想か?―「私」の謎を解く受動意識仮説 - YouTube

終わり

結局、3つ目の不動産仲介業者のところで契約したのですが、普段は関わらない人と話をして、本で読んだことを体験として解釈することができたかなと思います。