pips で評価することに対して、あまりよく思っていなかったところがあったので書いてみます。
2018 年 3 月のトレード
3 月のトレードは、 pips で表現すると、次の通りでした。
No. | pips |
---|---|
1 | -31.0 |
2 | -40.5 |
3 | 302.7 |
3 回トレードをしました。 合計は、 231.2 pips でした。
平均損失は -35.75 pips でした。 平均利益は 302.7 pips でした。 なので、リスクリワードレシオは 8.47 にもなります。
問題
3 月のトレードでは、 3 回目のトレードが突出して多い pips になっています。 たまたま高いボラティリティの通貨ペアを取引したときに利益になりました。
これが、たまたま低いボラティリティのときに利益になったとすると、あまり良くない見え方になります。 仮のトレードの結果を挙げてみたいと思います。
No. | pips |
---|---|
1 | -100.0 |
2 | -110.0 |
3 | 120.0 |
3 回トレードしました。 合計は、 -90.0 pips でした。
平均損失は -105.0 pips でした。 平均利益は 120.0 pips でした。 なので、リスクリワードレシオは 1.14 です。
合計が -90.0 pips なので、損失が出た月のように見えます。 でも、実際は、 20,000 円の利益になっていました。
初期リスク
どういうことか。
初期リスクを考慮すると、見えてきます。
No. | pips | 初期リスク |
---|---|---|
1 | -100.0 | -100.0 |
2 | -110.0 | -110.0 |
3 | 120.0 | -30.0 |
No.1 と No.2 は初期リスクと損失が同じです。 No.3 は初期リスクの 4 倍の利益になっています。
1 トレード当たり 10,000 円のリスクをとったとすると、損益は次のようになります。
No. | pips | 初期リスク | 損益 |
---|---|---|---|
1 | -100.0 | -100.0 | -10,000 |
2 | -110.0 | -110.0 | -10,000 |
3 | 120.0 | -30.0 | 40,000 |
No.1 と No.2 は初期リスクと同じ損失なので、 -10,000 円になりました。 No.3 は初期リスクの 4 倍の利益なので、 40,000 円になりました。 だから、合計 20,000 円になっていました。
損益額でのリスクリワードレシオを計算すると、 4.00 になりました。
2018 年 3 月のトレードに戻って
これ、最初に記載した 3 月のトレードも同じなんです。 同じように初期リスクと、 1 トレード当たり 10,000 円のリスクをとった場合の損益を表にしてみます。 実際のトレードなので、単純のため、微妙に約定がずれていたり、最低取引数量を無視して丸めてあったりします。
No. | pips | 初期リスク | 損益 |
---|---|---|---|
1 | -31.0 | -31.0 | -10,000 |
2 | -40.5 | -40.5 | -10,000 |
3 | 302.7 | -75.6 | 40,000 |
損益は合計 20,000 円になりました。
損益額でのリスクリワードレシオを計算すると、 4.00 になりました。 8.47 でも、 1.14 でもないです。
終わり
利益が出たのに損失で終わったかのように表現されてしまうことがあるので、 pips だけで表現するのはあまり意味がないな、と思いました。 あるいは、潜在的に 1,000 pips ものリスクをとっていたにもかかわらず、 400 pips の利益が出てしまって、「わたしすごいでしょ!」みたいな勘違いをするとか、なくなるんじゃないかと思います。
タープ博士の提唱する R 倍数で表現すると、こういうことがないので、今は R 倍数を記録しています。